Ferrari Roma Spider|フェラーリ ローマ スパイダー
54年ぶりに蘇ったFRソフトトップスパイダー
フェラーリは3月16日、モロッコはマラケシュのエル・バディ宮殿で開催された顧客限定のエクスクルーシブなイベントで、ローマのルーフをソフトトップとしたローマ スパイダーを発表した。
Text by OPENERS
都市を離れて優雅で開放的なオープンエアドライブを楽しめるモデル
イタリア映画界の巨匠、フェデリコ・フェリーニが、50年代ローマのセレブリティたちの享楽的なライフスタイルを描いた作品「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」のような、華やかなりし頃のローマのライフスタイルを現代に蘇らせるというコンセプトから生まれたフェラーリ ローマ。
フェラーリのスタイリングセンターを率いるフラヴィオ・マンゾーニ氏が、「イブニングドレスをまとったF1マシン」と謳ったエレガントなデザインが魅力のこのV8の2+クーペに、ソフトトップを採用したスパイダーモデルが発表された。
なお、ソフトトップのフロントエンジンモデルがフェラーリのラインナップに復活するのは1969年の「365 GTS4」以来、54年ぶりのことだという。
マンゾーニ氏が、「現代に蘇った甘い生活というコンセプトを広げ、都市を離れて優雅で開放的なオープンエアドライブを楽しめるモデルを目指してデザインした」と語る同モデル。クーペの優雅に流れるシルエットを踏襲しというソフトトップは、専用ファブリックやアクセントのステッチを含め、パーソナライゼーションのオプションが豊富に用意されている。
機能面に目を向けると、ソフトトップはわずか13.5秒で開閉し、最高60km/hで走行中にも稼動する。また、極めてコンパクトなため、同カテゴリーで最大のトランク容量も確保されており、GTカーとしての汎用性に優れたモデルとなっているという。
エアロダイナミクスについても徹底的な作り込みが行われた。具体的には、ソフトトップの採用と、それによって間接的に影響を受けたジオメトリーを踏まえ、クーペモデルの低ドラッグは変えずにダウンフォースを効率的に発生させるべく、ルーフラインと前方部分のカーブについて徹底的な数値解析を行ったという。また、ボディワークの変更に合わせてリアの可動スポイラーにも手を加えたとしている。
快適性にも配慮が図られており、たとえばオープン時の風の巻き込みをおさえる装置として、停車せずに展開できる特許を所得した自動ウィンドディフレクターを新たに採用。同装置を稼動させることで、以前の+2スパイダーに較べて頭部周囲の乱流を抑える効果が約30%向上したとのこと。
また、クローズ時の快適性も追求。例えばソフトトップのファブリックは5層構造を採用し、風切り音やロードノイズをおさえることで、現ラインアップのほかのスパイダーモデルに搭載されているリトラクタブルハードトップと同等の快適性を確保しているという。
エンジンは、ローマと同様に「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー」を4年連続で獲得し、2018年には「過去20年で最も優れたエンジン」にも選出された3,855cc V8ターボ。最高出力456kW、最大トルク760Nmというスペックも同値となる。
シャシーは基本的にローマをベースにしているが、リアセクションはポルトフィーノMのものを元に構成しているという。また、サイドシルはスパイダーのために新たに開発すると同時に、ソフトトップの搭載に必要ないくつかの部分とAピラーおよびウィンドスクリーン周辺も変更されている。
シャシーの変更などによる車重の増加は84kgにとどまり、パワーウェイトレシオは2.5kg/psを達成している。
同じく+2のV8スパイダーであるポルトフィーノMと今後どう共存していくのか気になるところだが、ソフトトップやエレガントなスタイリングが醸し出すクラシックな雰囲気は、このクルマの最大の特長といえるだろう。
Ferrari Roma Spider|フェラーリ ローマ スパイダー
ボディサイズ|全長 4,656 × 全幅 1,974 × 全高1,306 mm
ホイールベース|2,670 mm
トレッド前/後|1,652 / 1,679 mm
車両重量|1,556 kg
前後重量配分|前48:後52
エンジン|3,855 cc V型8気筒DOHC ツインターボ
ボア × ストローク|86.5 × 82.0 mm
圧縮比|9.45:1
最高出力|456 kW(620 cv)/ 5,750-7,500 rpm
最大トルク|760 Nm / 3,000-5,750 rpm
トランスミッション|8段F1デュアルクラッチ
駆動方式|FR
タイヤ 前/後|245/35ZR20 / 285/35ZR20
0-100km/h加速|3.4秒
0-200km/h加速|9.7秒
最高速度|320km/h
問い合わせ先
フェラーリ
https://auto.ferrari.com/
https://www.ferrari.com/ja-JP/
出典:Web Magazine OPENERS